まとめの目的
業務システムやアプリの開発は、画面とデータベースの中で完結します。一方 IoT は、現実に存在する機器・設備・環境とつながるため、まったく別の難しさがあります。
本資料は、弊社がこの領域で実際に手がけた3案件を整理したものです。「IoTもできます」ではなく「この現場を、こう解いた」という形で使えるようにしています。
領域と進捗状況
| 案件 | 領域 | 要点 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 新三郷浄水場 太陽光監視・警報 |
産業設備 IoT (閉域網) |
太陽光発電の計測データを監視表示し、異常時にネットワーク制御信号灯(パトランプ)で警報発報 | 納品済 点検フェーズ進行中 |
| ドローン航路 | 空域・モビリティ | 世界初となるドローン航路の開通事例。経済ニュース WBS で紹介 | 開通済 2025年3月 |
| SB C&S GLIDiC AI |
ウェアラブル ×音声AI |
イヤホン・レコーダーを起点とした音声AI活用。次世代デバイス向け機能拡張を提案 | 提案中 別途セミナー実績あり |
※ 状況は各案件の資料から確認できた範囲での記載です。営業で使う際は最新状況をご確認ください。
3案をコスト・安定性・保守性・セキュリティ制約の4軸で比較し、決めていただく形にしました。「これが最適です」と言い切らず、判断材料を揃えて渡す進め方です(マーケティング支援事例まとめの CASE 03 と同じ考え方)。
本件で扱った NHB4/NHB6 は、単に光るだけの回転灯ではなくネットワーク機器としての機能を内蔵した信号灯です。調査した結果、以下が可能でした。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 制御手段 | HTTP/HTTPS コマンド、SNMP Set コマンド、SSH/RSH コマンド、ソケット通信(PNS/PHN)、本体クリアボタン |
| 表示・鳴動 | 最大5段の信号灯を段ごとに点灯・消灯・点滅制御(点滅4パターン)/ブザー5パターン、80dB以上 |
| 通知 | メール通知(8箇所・SMTP認証/OAuth2・SSL/TLS対応)、SNMP Trap/Inform(8箇所)、HTTP通知(8箇所) |
| 外部監視機能 | Ping監視(24ノード・3グループ)、SNMP Trap受信、SNMP対応機器の状態監視、PLCのデバイス情報読込(SLMP/MCプロトコル、FINS) |
| 設置条件 | 屋内・IP20・0〜40℃、Ethernet(10/100/1000BASE-T)、IPv4/IPv6デュアルスタック |
案件概要書に明記された論点の1つが「誤報防止ロジック設計(連続判定、復旧判定)」でした。
浄水場のような現場では、誤報が一度でも続けば警報そのものが無視されるようになります。そうなると、システムは存在しているのに機能していないという最悪の状態になります。異常値の定義(更新停止・発電ゼロ検知・パワコン異常)と同じかそれ以上に、「異常でないものを異常と言わない」設計が重視されました。
| 弊社スコープ | スコープ外 |
|---|---|
|
・表示方式の技術選定およびアーキテクチャ設計 ・ZERO-T4 からのCSV取得方式検証(自動取得可否含む) ・表示ロジック設計 ・異常判定ロジック設計 ・警報出力方式設計(PC音声/接点出力連携) |
・太陽光計測機器の設定変更 ・HDMI物理配線設計および切替機器選定(元請担当) ・モニター設置工事 ・クラウド環境構築 |
工事案件では、どこからどこまでが誰の責任かを最初に文書で切ることが極めて重要です。本件では案件概要書の時点でスコープ外を明記しています。
ハードウェアはそのままに、アプリ+クラウドAI側のアップデートで実現できる機能拡張を10案、さらに新デバイスにカメラ・ディスプレイが載った場合の提案を4案、計14案を提示しました。
| # | 提案 | ターゲット |
|---|---|---|
| ① | リアルタイム商談コーチAI(会議中にイヤホンで助言) | 法人(営業) |
| ② | 音声感情分析AI(声のトーンから相手の温度感を推定) | 法人(営業・CS) |
| ③ | 対面リアルタイム翻訳(オフラインの対面シーンで差別化) | 法人+個人 |
| ④ | オープンイヤー×常時AIアシスタント | 個人 |
| ⑤ | 音声メモ → タスク・予定の自動生成 | 法人+個人 |
| ⑥ | 会話セマンティック検索(過去の会話を自然言語で検索) | 法人 |
| ⑦ | 音声ヘルスケアAI(咳・声の震えから体調推定) | 個人 |
| ⑧ | スマートサウンドAI(環境音認識・危険音検知) | 個人 |
| ⑨ | AI語学コーチ(ながら学習) | 個人+法人 |
| ⑩ | ポッドキャスト・音声コンテンツのAI要約 | 個人 |
| ⑪〜⑭ | 映像AI認識/業務支援AR(倉庫・工場・店舗)/ライフログカメラ/AI店頭接客サポート | スマートグラス等を想定 |
別途、ソフトバンク社にて音声AIをテーマとしたセミナーを実施しています。企画名は「音声AI頂上決戦 〜矛盾(ほこ×たて)対決〜」。「絶対に受付突破する音声AI」と「絶対に通さない音声AI」を対決させる、という構成でした。
何ができる会社だと言えるか
| 領域 | 具体的にできること | 根拠となる案件 |
|---|---|---|
| 他社製機器の仕様調査と接続 | 計測機器・産業機器の仕様書を読み込み、データ取得手段(CSV/FTP/HTTP/SNMP/PLCプロトコル)を特定して接続設計する | CASE 01 |
| 閉域網・オンプレ構成 | セキュリティ制約でクラウドが使えない現場で、構内LANのみで完結するシステムを構築する | CASE 01 |
| 異常判定と警報発報 | 異常値の定義、誤報防止(連続判定・復旧判定)、警報出力方式の比較・設計 | CASE 01 |
| 産業用ネットワーク機器の制御 | ネットワーク制御信号灯、PLC(SLMP/MCプロトコル・FINS)、SNMP対応機器 | CASE 01 |
| 現地調査・現地試験 | 現地に赴いての機器確認・撮影・動作試験。納品後の点検フェーズまで継続対応 | CASE 01 |
| ウェアラブル×クラウドAI | デバイスをセンサーとして扱い、スマホ経由でクラウドAI処理する構成の設計。低遅延ストリーミング | CASE 03 |
| 音声インターフェース | 文字起こし・要約・TTS・音声通知の設計と実装 | CASE 03 |
| 空域・モビリティ | ドローン航路プロジェクトへの参画 | CASE 02 (範囲要確認) |
| 公共・インフラ領域 | 自治体施設、公共プロジェクトでの実績 | CASE 01・02 |
3案件に一貫して見られる進め方
T&Dレグルス様 TPMS APP 案件への活かし方
進行中の T&Dレグルス様 TPMS APP(Version 2) は、本資料の3案件がそのまま効く商談です。
| TDR案件で問われること | 対応する実績 |
|---|---|
| BLEセンサーとスマホの連携 | CASE 03(ウェアラブル×クラウドAI)。デバイスをセンサーとして扱い、処理をスマホ/クラウドに寄せる構成の設計経験 |
| 他社製センサーの仕様解析 | CASE 01。他社製計測機器の仕様書を読み込み、データ取得手段を特定して接続した実績 |
| 誤報を出さない警報設計 | CASE 01。連続判定・復旧判定による誤報防止ロジックの設計実績 |
| 音声通知(TTS) | CASE 03。音声インターフェースの設計・実装経験 |
| 実機・現地での検証 | CASE 01。現地調査から現地試験、納品後の点検フェーズまでの一貫対応 |
| 安全に関わる製品としての姿勢 | CASE 01。インフラ設備の警報システムを手がけた経験そのもの |